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2018.11.11

『幼少期の生活習慣』 (2012.07)

  雨の日が多く、戸外での遊びが制限されて、園児たちのストレスがたまる季節でもあります。いろいろと工夫をして、こういう季節ならではの経験をしながら、元気に乗り切って欲しいものです。
 私たちは毎日、朝起きてから夜眠りにつくまで、様々な行動をします。それらの中には、毎日繰り返していることもたくさんあります。初めてのことや、たまにしかしないことには慎重になったり、どうしようかと考えたりしますが、毎日繰り返していることについては、あまり注意を払いません。洗顔、食事、挨拶、戸の開け閉め、歩き方など、ほとんどが無意識に行動しています。
 毎日していること、し慣れていることを、鹿児島弁で”しつけている”と言います。繰り返しているうちに、いちいち考えなくても動くようになっている状態を言います。躾というのは、こういうことを言うのだと思います。
 例えば、幼いうちに良い挨拶ができるようになって欲しいと思っています。うちの園の教職員も熱心に取り組んでいます。でもみんなが良い挨拶ができるようになるということは、大変難しいことだと感じています。「センセイ、おはようございます」と気持ちのいい声をかけてくれる子が何人もいます。一方、こちらから「おはようございます」と声をかけても、キョトンとしている子も結構います。
 人は環境の中で育っていきますが、子どもにとっての最大の環境は、お父さんお母さんであります。「子どもは親の言う通りにはならないが、親がする通りにする」と言われます。毎日の生活の中で、手本が目の前にあるのです。ですから、話し方から、食事の仕方や好み、テレビの見方、挨拶の仕方、歩き方まで、よく似てきます。
 もう大分前のこととなりますが、あるお母さんがうちの子は何でも食べますと言われました。しかしその子どもさんは好き嫌いが激しく、偏食がひどいということが後で分かりました。不思議に思いましたが、理由はお母さんに偏食があって、自分の好きなものしか食卓に並ばないので、子どももすっかり偏食になってしまったということでした。
 こうして生活のパターンが出来上がりますと、毎日これを繰り返すことになります。望ましくない習慣が身についてしまいますと、健康にも影響がでたりします。脳卒中・癌・高血圧・心臓病などは、中年から老年にかけて多く現れるので、以前は成人病と言われました。しかし、この頃は小学生でも発症するようになって、生活習慣病と呼ばれるようになりました。
 幼い頃からの生活習慣が、その人の人生に様々な影響を与えることを考えますと、望ましい生活習慣を身につけることが、幼少期の教育で欠かすことのできない大切なことであるように思います。